天位 |
岐阜市 |
大栗 紀美子 |
雨の予報なりしが今朝の青い空草引く日和が降っております |
地位 |
岐阜市 |
臼井 均 |
朝路地に「やつとかめだなも」の土地ことば聞きて和みぬ山茶花の咲く |
人位 |
岐阜市 |
河野 貢 |
芋の蔓隣の畑へ侵攻し領土広げる会話の和なく |
優秀 |
岐阜市 |
長瀬 武司 |
和やかに娘三人育てあげ妻と真摯に野菜を作る |
優秀 |
美濃市 |
遠藤 英音 |
雑木林奥に色鳥いるらしや囀れる声和み畑打つ |
優秀 |
岐阜市 |
松井 弘子 |
カロテンをたっぷり含むツルナの葉はたけに摘みてごま和え旨し |
優秀 |
岐阜市 |
名和 美智子 |
草野球大差つけられ作戦がえ円陣くみて和して勝利へ |
優秀 |
岐阜市 |
林 和志 |
いつの世も平和願いて殺し合い続くこの世を見つめたる梅 |
優秀 |
岐阜市 |
郷 春代 |
赤や黄の色がとりどり紅葉の和のコントラスト世界の山へ |
優秀 |
岐阜市 |
高橋 智恵子 |
着物ときつなぎ合わせて和机をおおう布にと母よみがえる |
優秀 |
下呂市 |
杉山 洋子 |
年重ねうなづくばかり「笑和会」と名付け大いに笑ひし人ら |
優秀 |
岐阜市 |
松波 智惠子 |
ひょっこりと顔出す君に和みいる守りたまえと朝夕祈る |
優秀 |
揖斐川町 |
岩間 芳子 |
若き日のわが鮫小紋着こなして娘は和やかに初釜に行く |
秀逸 |
岡崎市 |
早矢仕 トキ |
アパートの和室ひと部屋我ヶ天下ところがどっこいおもちゃわんさか |
秀逸 |
美濃市 |
遠藤 静江 |
八十路なり遅おそながらスマホ持ち元気に令和明るく生きる |
秀逸 |
岐阜市 |
川出 香世子 |
寒の内も荒鵜を馴らす鵜匠の目穏和な流れに長綱捌く |
秀逸 |
神戸町 |
村瀬 昇竜 |
岐阜和傘加納の宿の手内職継ぐ人も無く過去の又夢 |
秀逸 |
山県市 |
樋口 千鶴子 |
サッカーのルール知らねどピースするブラボーと言う昭和生れ |
秀逸 |
岐阜市 |
山崎 眞也 |
山寺の祭りの後の異空間置かれたままの酒と和太鼓 |
秀逸 |
関 市 |
伊佐地 博子 |
置き去りにされたるやうな居心地か和箪笥に眠りつづける着物 |
秀逸 |
岐阜市 |
勝野 好子 |
友人に会った帰りと立ち寄った娘は笑顔心和やぐ |
秀逸 |
岐阜市 |
嘉鳥 隆 |
童歌遊びの集い賑やかに笑い和やむはらからの里 |
秀逸 |
土岐市 |
大脇 和生 |
凍て雲の押し合ふ朝の窯里にふくら雀となり和みをり |
秀逸 |
山県市 |
小森 智 |
過疎に生きジビエ料理で村起し妻と手を取り心和やか |
秀逸 |
中津川市 |
志津 恵美子 |
慣れぬ主夫母の好物白和えの具材に迷いてスマホに頼る |
秀逸 |
岐阜市 |
林 節子 |
和裁する母がひねもすはめている真鍮の指貫ききらりと光る |
秀逸 |
岐阜市 |
山田 のり子 |
義母のもと子らと一緒に茶の稽古和菓子たずさえ通いし日あり |
秀逸 |
各務原市 |
浅野 秀子 |
農に生れ昭和平成守り抜き令和のうらら曾孫を抱く |
秀逸 |
山県市 |
中村 佳寿美 |
呼びながら駆けよって来る三歳をギュッと抱きしめ一気に和む |
秀逸 |
山県市 |
森下 睦恵 |
和やかな母の笑顔を偲びつつミニあんぱんを墓前に置きぬ |
佳作 |
岐阜市 |
長谷川 道夫 |
里帰り今年も無事の笑顔みて和気藹藹に牛鍋囲む |
佳作 |
岐阜市 |
舟坂 均 |
腰痛で和室にベット置く祖父は時折り軸を取り替えて臥す |
佳作 |
岐阜市 |
林 暁子 |
和楽園で書道を習う書き初めのはじめの一筆白紙に落とす |
佳作 |
各務原市 |
松波 洋子 |
連鶴は翼つなぎて平和祈る数多の人の叫びに似ており |
佳作 |
揖斐川町 |
清水 亮鳴 |
三世代曾孫誕生で四世代里は長閑に和やかなりし |
佳作 |
高山市 |
瓜田 民子 |
初孫は真白き和紙を前にして「大地の風」と雄々しく書けり |
佳作 |
岡崎市 |
西村 愛美 |
定年となりし夫との朝時はさえずり聞こえ和やかに過ぐ |
佳作 |
本巣市 |
福井 久子 |
なの花とあさり竹の子酢みそ和え春をいただく我ヶ家の夕餉 |
佳作 |
飛騨市 |
横山 美保子 |
幼きものおれば和みぬ法要を終えて僧らと談笑するとき |
佳作 |
岐阜市 |
古田 司馬男 |
名曲の「知りたくないの」に痺れおり昭和の時世遠くなりたり |
佳作 |
飛騨市 |
岩佐 ハル子 |
それぞれに具を持ち寄りて学校の味噌汁給食昭和はるけし |
佳作 |
大垣市 |
橋 久子 |
和の信念太子の遺徳今につぐ南大門に手をふれ仰ぐ |
佳作 |
岐阜市 |
梶原 晴美 |
深夜便昭和の演歌ながれきて少しうれしくきゅんと切ない |
佳作 |
大垣市 |
松永 小夜子 |
ズボン丈直さなければゴミとなる昭和一桁は捨てずに直す |
佳作 |
岐阜市 |
木原 芳子 |
嫁入りの道具の和傘日の目見ず今展げ見ん母を偲びて |
佳作 |
岐阜市 |
小島 清子 |
「寒いね」と言えば和める位置にいて老うもまたよし今朝の初雪 |
佳作 |
瑞穂市 |
馬渕 貞三 |
巫女の舞雅楽に乗りて和をつくり令和の平和手合わせ祈る |
佳作 |
岐阜市 |
棚橋 冨美子 |
祖父よりの最後の歳暮日和下駄婚礼にはきしを未だに思う |
佳作 |
中津川市 |
国枝 三津江 |
東京でも自慢できると帰省の娘地元の和菓子いくつか求む |
佳作 |
海津市 |
森 圭子 |
岐阜ばあばのご馳走なれば赤味噌のどてと畑の青菜の白和え |
佳作 |
岐阜市 |
宮田 恵美子 |
「ばあちゃんのご飯はやっぱりおいしいね」にこりと箸持つ心和めり |
佳作 |
羽島市 |
志知 美智子 |
和を願う人の群れ行く初詣絶え間無く鳴る鐘の響きや |
佳作 |
岐阜市 |
辻?? 比呂子 |
髪かざりそっとつければ若やぎて久の和服に心踊りぬ |
佳作 |
中津川市 |
藤井 勝子 |
はなれ住む十五の孫の試験日に灯明あげて祖父母に祈る |
佳作 |
各務原市 |
佐藤 武 |
ほのぼのと地球が明けるその刻は心が和む好きなひととき |